青森の50代主婦、LINEオプチャ仲間とトルコリラFXで750万円失った話
青森市の専業主婦Hさん(仮名・54歳女性)がLINEオープンチャットの仲間と続けたトルコリラ円スワップ運用。4年の買い増しの末、2022年12月20日に750万円を失った。60人が同じ日にロスカットされた集団運用の記録。
「『いつか戻る』が、グループの合言葉みたいになってました。60人いて、売った人をひとりも知りません」
Hさん(仮名・54歳女性)は青森市の専業主婦。LINEオープンチャットの主婦仲間と続けたトルコリラ円のスワップ運用で、2022年12月、750万円を失った。
家計の節約から始まった
きっかけは投資ではなく、節約だった。2018年、家計の節約情報を探していて、LINEオープンチャット『東北主婦FX』に行き着いた。参加者は約60名。リーダー格の50代女性はFX歴8年で、毎朝、相場と「おすすめの買い場」を投稿していた。
「最初は見てるだけでした。でも、皆さん『今月のスワップ◯円』って報告し合ってて。貯金しても利息ゼロの時代に、持ってるだけで毎日お金が増えるって、夢みたいに見えたんです」
その年、Hさんは夫の出勤後の朝、自宅から300万円を入金した。トルコリラ円の買い。高金利通貨を持ち続けてスワップポイントを受け取る、グループで「王道」とされていた手法だった。
下がるたびに買う4年間
トルコリラは、ゆるやかに、ときどき急に、下がり続けた。
グループの方針は一貫していた。下がったら買い増す。単価を下げて、反発を待つ。Hさんも従った。2021年の末には総入金は800万円になり、含み損は約500万円に膨らんでいた。
「不安はずっとありました。でも、グループを開くと『私はまだ持ってます』『ここで売ったら負け』って流れてくる。自分だけ降りるのは、裏切りみたいな空気だったんです」
2022年12月20日
その日、日銀の政策修正をきっかけに円が急騰し、トルコリラ円は5.20円に到達。Hさんのポジションは強制ロスカットされた。残高は約50万円。損失、約750万円。
「ロスカットって、自分だけに起きたんじゃなかったんです。その日、グループの通知が鳴りやまなくて。『切られました』『私もです』って、何十件も」
同じ値段で、同じ方向を、同じ理屈で持っていた60人は、同じ日に切られた。
あれだけ毎朝動いていたグループは、年が明けると投稿が止まった。「ここで売ったら負け」と書き込んでいたリーダーの女性も、いつの間にかチャットからいなくなっていたという。
夫への告白
夫は地方公務員で、家計はHさんに任せきりだった。この規模の損失は隠せず、夫の出張から帰った夜、玄関で開口一番に伝えた。
「離婚という言葉は出ました。最終的には、家計をぜんぶ見えるようにすること、それが条件で続けることになって。いまも毎月、通帳を二人で見てます」
750万円の行き先
| 投入総額 | 約800万円(2018年の初期300万+4年間の買い増し) |
|---|---|
| 手法 | トルコリラ円の買い・スワップ狙い・下落時に買い増し |
| 結末 | 2022年12月20日 リラ円5.20円で強制ロスカット・残高約50万円 |
| 実質損失 | 約750万円 |
いま
FX口座は解約し、オープンチャットも抜けた。いまは週4日、時給1,000円のパートに出ている。
「750万を時給で割り算したこと、あります。しないほうがいい計算でした。でも、その数字を見てから、お金の使い方がぜんぶ変わりました」
Hさんの体験から、整理できること
編集者注:以下はHさん個人の体験から整理した視点で、当サイトからの投資助言・売買推奨ではない。投資判断は読者本人の責任で。
心理と反省ポイント
- ロスカットは保険であって敵じゃない。動かす方向を間違えると一晩で口座が空になる。
- 指標発表の前後は流動性が抜けて、設定したロスカット幅を素通りすることがある。
- 深夜の30分だけのトレードは、判断疲れが乗ったまま画面に向かう時間でもある。
もう一度選び直すなら
失敗した道具・口座・サービスを今からどう選び直すか。
比較記事で軸を整理してから動くと、同じ罠を踏みにくい。
専門家に相談する
ひとりで抱えると判断が鈍る。
被害の状況や生活設計の悩みは、その道のプロに早めに話す方が結果的に軽くなる。