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ロスカットの仕組み ─ 「指定レートで切る」と「次の約定可能レートで切る」の違い
ロスカット設定は「保険」じゃなくて「保険に見える仕様」のことが多い。
指定レート時点で本当に切れるのか、次の約定可能レートまで滑るのか。この差で口座残高の桁が変わる。
ロスカットには2つの執行モデルがある
FX口座ごとに、ロスカット執行のロジックは2つに分かれる。
多くの初学者は「設定したレートで自動的に止まる」と思っているけれど、実際の仕様はそれより複雑。
証拠金維持率が一定水準を下回った瞬間に、システムが自動で決済発注を出す。発注は出るけれど、約定するレートは「その時点で取引可能な最良値」になる。流動性が消えている時は、指定レートから大きく離れたところで約定する。
発注は出すが、実際に約定するレートは「次に板にぶつかるレート」になる。指標発表時・流動性が消えた瞬間など、板が薄い時は数十pips〜数百pips先まで滑る。これがスリッページ。
スリッページがロスカットを「保険」じゃなくする
証拠金100万円・USD/JPYで75万通貨ロング・ロスカット水準50%という設定で、実際に何が起きるかを並べてみる。
平常時:USD/JPYが−150pipsまで下げると、ロスカットが発動。指定レートから±2-3pipsで約定する。損失約150万円台。
この場合、ロスカットは「保険」として機能している。
指標発表時:USD/JPYが−350pipsまで一気に走る。指定の−150pipsを通り過ぎてから、板にぶつかった−330pips付近で約定する。
スリッページ約180pips。実際の損失は約337万円。証拠金100万円を超えて、追証約237万円が発生する。
ロスカットの「水準」より、ロスカットが「どのレートで約定するか」の方が、実は重要。
FX口座を選ぶときに見るべきはこの仕様。
口座を選ぶときに確認する3項目
- ロスカット水準(証拠金維持率の何%でロスカットが発動するか)。50%だと余裕大、100%だと早期執行で追証リスク小。
- スリッページ補償の有無。一部の国内FXは「指定価格保証」を一部の条件で実装している。約款で確認する。
- 強制ロスカットの執行優先度。指値・逆指値・成行・強制ロスカットの執行順位を確認。強制ロスカットが最優先で執行される口座を選ぶ。
これら3つを確認した上で、自分のトレードスタイル(短期/中長期)と組み合わせる。FX口座の比較記事は別途まとめてあるので、口座選びの実務はそちらを参照。