鹿児島の経営者会で勧められたトルコリラFX、680万円消えた40代社長の話
鹿児島市の建設会社社長Tさん(仮名・48歳男性)が地元経営者会で勧められたトルコリラFX。4年間の買い増しの末、2022年12月20日に680万円を失った。「経営者同士の紹介は信用の桁が違う」と語る入口からの記録。
「翌月の例会で、その社長と目が合いました。お互い、あの話はしませんでした。いまも、してません」
Tさん(仮名・48歳男性)は鹿児島市で従業員18名の建設会社を経営している。地元の経営者会で勧められたトルコリラのFXで、2022年12月、680万円を失った。
月に一度の例会
Tさんは2018年から、鹿児島市の経営者会に参加していた。製造、小売、サービス業。別業種の社長たちと月に一度集まり、景気の話、人手の話、銀行の話をする。Tさんにとっては、孤独になりがちな経営判断の数少ない壁打ち相手だった。
その年の例会のあと、60代の製造業の社長から声をかけられた。トルコリラのスワップで年8%。自分もやっている、銀行に置いておくよりずっといい、と。
「経営者同士の紹介って、重みが違うんですよ。お互い会社を背負ってる人間が、自分の金でやってると言ってる。広告とは信用の桁が違うと思ってました」
4年間、下がり続けた
2018年9月、500万円を入金してトルコリラ円を買った。レバレッジは4倍前後。
リラ円はそこから、段階的に下がり続けた。20円台から、15円、12円、9円。Tさんは含み損が膨らむたびに追加で入金し、平均取得単価を下げていった。2022年の中盤までに、総入金は700万円になっていた。
「建設業って、工期の長い仕事なんです。途中で苦しくても、完成すれば回収できる。その感覚をそのまま相場に持ち込んでました。耐えれば戻る、って。でも相場には竣工日がないんですよね」
2022年12月20日
その日、日銀の政策修正をきっかけに円が急騰し、リラ円は5.20円まで落ちた。Tさんの口座は強制ロスカット。残高、約20万円。損失はおよそ680万円になった。
個人の資金だったため、会社の財務に直接の影響はなかった。それでも、こたえ方は別のところに出た。
「従業員の給料や材料費には1円も影響してません。ただ、人を雇って毎日判断してる人間が、自分の金でこれをやったのかと。社長としての自信の方が削れました」
例会の沈黙
翌月の例会で、紹介者の社長と顔を合わせた。どちらからも、あの話は出なかった。後日、別のメンバーから「あの社長も同じ日に大きくやられたらしい」と聞いた。
それ以来、経営者会の中で、トルコリラの話題は誰も口にしなくなったという。
680万円の行き先
| 投入総額 | 700万円(2018年9月の500万+4年間の買い増し) |
|---|---|
| 手法 | トルコリラ円の買い・スワップ狙い・下落時に買い増し(レバレッジ約4倍) |
| 結末 | 2022年12月20日 リラ円5.20円で強制ロスカット・残高約20万円 |
| 実質損失 | 約680万円(個人資金・会社財務への直接影響なし) |
いま
FX口座は解約した。経営者会には、いまも出ている。
「会社の借入は銀行と交渉して、利率も返済計画も全部書面で詰めるのに、自分の680万円は『仲間の一言』で動かした。経営と投資で、自分の中の審査基準がまるで違ってた。それが一番の反省です」
Tさんの体験から、整理できること
編集者注:以下はTさん個人の体験から整理した視点で、当サイトからの投資助言・売買推奨ではない。投資判断は読者本人の責任で。
心理と反省ポイント
- ロスカットは保険であって敵じゃない。動かす方向を間違えると一晩で口座が空になる。
- 指標発表の前後は流動性が抜けて、設定したロスカット幅を素通りすることがある。
- 深夜の30分だけのトレードは、判断疲れが乗ったまま画面に向かう時間でもある。
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