看護師LINEグループで集団損失、トルコリラFXで530万円消えた40代女性看護師
福島県の総合病院で勤務する40代女性看護師Mさん(仮名)が、看護師仲間のLINEグループで紹介されたトルコリラFXで2022年12月の史上最安値で530万円を失った。グループの参加者15名のうち12名が同様に大損し、コミュニティ自体が崩壊した。
Mさん(仮名・46歳女性・福島県の総合病院看護師)から届いた話。看護師仲間のLINEグループで紹介されたトルコリラFXで、2022年12月に530万円を失い、グループの参加者15名のうち12名が同様に大損した経緯。
取材は2024年に開始。Mさんは「医療職の集団投資の危険を伝えたい」と取材を引き受けてくれた。
看護師LINEグループ
Mさんは20年以上の看護師歴。同じ病院・別病棟の看護師仲間(30代後半〜50代の女性15名)でLINEグループ「ナースFX部」を2019年に作った。きっかけは、リーダー的な40代女性看護師(FX歴5年)の「私たちも資産形成しよう」という呼びかけだった。
「同じ職場で同じ立場、夜勤の苦労も給料の悩みも共有できる仲間。一緒に学べる安心感があった」
2019年から2021年までの『成功体験』
2019年から、Mさんを含む参加者の多くが、リーダーの指南でトルコリラ円のスワップ運用を開始。当時のリラ円は20円台。レバレッジ4倍程度で、月のスワップポイントが1万円超えると、皆で喜び合った。
2019年〜2021年、リラ円は20円→10円へ下落していたが、グループ内では「いつか反発する」「スワップで補える」という前向きメッセージで満たされていた。
2022年の追い込み
2022年に入り、Mさんと多くのメンバーは「平均取得単価を下げるため」と称してナンピン買いを繰り返した。Mさんは2022年中に300万円を追加入金。総入金額600万円。
2022年12月のロスカット
2022年12月20日、リラ円が5.20円に到達。Mさんの口座は強制ロスカット。残高約70万円。差し引き約530万円の損失。
同じ日、LINEグループの15名のうち12名が同様にロスカット。グループ内では「みんなどうした?」「私もロスカットされた」という投稿が深夜まで続いた。
グループの崩壊
翌日からのグループは、励まし合いというより、お互いの傷をつつき合う雰囲気になった。リーダー的な人物は責任を感じてグループから離脱。残ったメンバーも徐々に投稿を止めて、2023年初にグループは解散した。
「同じ職場で顔を合わせる仲間との関係が、ぎこちなくなった。職場での雑談で『FXで損した』話を避けるようになった」
夫への告白
Mさんは2022年末、夫にすべてを話した。夫は「同じ職場の人と同じ商品を持つ判断は、避けるべきだった」と冷静に分析した。
家計には大きな影響はなかったが、子供2人の大学進学費用の積立を、当面ストップせざるを得なくなった。
その後
FX口座は2023年1月に解約。LINEグループは解散済み。看護師の職場は継続中。
振り返り:3つの教訓
1. 同じ職場・同じ立場のグループで、同じ商品を持たない
同じリスク認識・同じタイミングで損する集団。職場の人間関係への影響も含めて、損失コストが二重になる。
2. 『リーダー』の指南は、リーダーの利益と一致しているとは限らない
無償でも責任を負わないリーダーの判断を、自分の判断より優先しない。
3. 集団の中の励まし合いは、損失を確定させる
『一緒なら大丈夫』という心理は、撤退タイミングを遅らせる。集団行動が必要なのは登山と医療現場だけ。
Mさんの体験から、整理できること
編集者注:以下はMさん個人の体験から整理した視点で、当サイトからの投資助言・売買推奨ではない。投資判断は読者本人の責任で。
心理と反省ポイント
- ロスカットは保険であって敵じゃない。動かす方向を間違えると一晩で口座が空になる。
- 指標発表の前後は流動性が抜けて、設定したロスカット幅を素通りすることがある。
- 深夜の30分だけのトレードは、判断疲れが乗ったまま画面に向かう時間でもある。
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