新卒1年目、ボーナス全額220万円をFXで2か月で溶かした静岡の若手会社員
静岡県浜松市の20代男性会社員Nさん(仮名)が、新卒1年目の冬・夏ボーナス合計約100万円と消費者金融からの借入120万円、計220万円をFX口座に投入。2023年7月の米利上げ局面のドル円乱高下で2か月で全損。借金返済を抱えた状態で社会人2年目を迎えた。
Nさん(仮名・24歳男性・浜松市内のメーカー勤務)から届いた話。新卒1年目のボーナスと消費者金融からの借入合わせて220万円を、2か月でFXで失った経緯。
取材は2024年初に開始。Nさんは『同年代の若手社会人に伝えたい』と希望されたため、勤務先と地名以外は実情で残してある。
新卒1年目の高揚感
Nさんは2022年4月に大手メーカーに新卒入社。配属は浜松市内の営業所。実家からの通勤で生活費負担はなく、月の手取り約20万円はほぼ自由になるお金だった。
「初めて自分で稼いだお金、というのが新鮮だった。同期の中には『FXで月10万稼いでる』『株で儲けた』という話をする人もいて、自分も何か始めたいと思った」
YouTube広告
2022年12月、初めての冬ボーナス(手取り約45万円)を受け取った直後、Nさんはスマホで何気なくYouTubeを見ていた。「新卒で月20万円のFX副収入」という広告が流れた。
広告主は20代後半の男性で「私は新卒でこの方法を学んで、3年で1,000万円稼ぎました」と話していた。広告から無料LINE登録に誘導され、Nさんも登録。
LINEでは毎日、為替分析と『今日のおすすめエントリー』が配信されていた。Nさんは1か月ほど無料情報だけで様子を見て、2023年2月に口座開設を決めた。
口座開設と入金
2023年2月、Nさんは某国内FX業者の口座を開設。冬ボーナス全額45万円を入金。米ドル/円のレバレッジ20倍で運用開始。
2023年2月〜5月、ドル円は130円〜140円のレンジで上昇。Nさんの口座は順調に伸びて、評価額70万円まで増えた。
「3か月で25万円増えた。年利換算なら200%以上、と計算して、これは本物だと思った」
夏ボーナスと消費者金融
2023年6月、夏ボーナス(手取り約55万円)を全額追加入金。総入金額100万円。
さらにNさんは「もっと枚数を増やせば、利益も比例して増える」と考え、消費者金融3社から合計120万円を借り入れた(金利各社年18%)。これも全額FX口座に入金。総入金額220万円。
2023年7月、ドル円は145円台で乱高下していた。Nさんはレバレッジ25倍で大量にロング。日々の含み損益が10万円単位で動いていた。
2023年7月末のロスカット
2023年7月28日、米国の雇用統計と利上げ決定で、ドル円が一日で2円以上下落。Nさんの口座は強制ロスカット。残高約8万円。実質損失約212万円。
翌日、Nさんは別のFX業者で新しい口座を開設し、消費者金融から追加借入50万円を新口座に入金。「取り返す」という心理で、再びレバレッジ高めでドル円ロング。8月初旬に再ロスカット。残高ゼロ。
合計入金額270万円、最終残高ほぼゼロ、損失約220万円(手元の現金分も含めて約220万円が消えた)。
消費者金融の返済
消費者金融からの借入合計170万円、年利18%。月々の返済額約4万円。Nさんの月手取り20万円から、住居費(実家への家賃3万円)、生活費、返済を引くと、自由になるお金はほぼゼロ。
「同期と飲みに行く余裕もなくなった。実家暮らしでも、給料を返済に回すだけの生活になった」
両親への告白
2023年9月、Nさんは両親にすべてを話した。両親は「消費者金融の借金は親が肩代わりするから、すぐ完済しなさい」と提案してくれた。
Nさんは両親から170万円を借りて、消費者金融3社を一括返済。両親への返済は月3万円・約5年分割。
その後
FX口座は2023年9月にすべて解約。Nさんは現在、メーカー勤務2年目を継続中。両親への返済は順調。同期との付き合いも徐々に戻ってきた。
「新卒1年目の自分は、初めて自由になるお金を持って、判断が浮ついていた。今でも同じ広告がYouTubeで流れているのを見ると、当時の自分が思い出される」
振り返り:3つの教訓
1. 新卒1年目のボーナスは、絶対に投資に回さない
初めての大金は、判断力が浮ついている。最初の1〜2年は、定期預金か投資信託の積立程度に留めて、運用の感覚を地味に養う。
2. 消費者金融からの借入を投資資金にしない
年利18%の借入を年利200%で増やす、という計算は数学的には成立しても、現実には市場リスクで破綻する。借入金は、返済確実な目的にしか使わない。
3. 『取り返そう』として追加損失を作らない
1回目のロスカット後、追加借入で2回目のロスカットを作った。1回目で止めれば100万円の損失で済んだ。2回目以降の追加損失は、人生の財産になり得たお金だった。
Nさんの体験から、整理できること
編集者注:以下はNさん個人の体験から整理した視点で、当サイトからの投資助言・売買推奨ではない。投資判断は読者本人の責任で。
心理と反省ポイント
- ロスカットは保険であって敵じゃない。動かす方向を間違えると一晩で口座が空になる。
- 指標発表の前後は流動性が抜けて、設定したロスカット幅を素通りすることがある。
- 深夜の30分だけのトレードは、判断疲れが乗ったまま画面に向かう時間でもある。
もう一度選び直すなら
失敗した道具・口座・サービスを今からどう選び直すか。
比較記事で軸を整理してから動くと、同じ罠を踏みにくい。
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