新卒2年目の女性、インスタDMの『FX指南』に160万円預けて全損した話
宮城県仙台市の20代女性会社員Yさん(仮名)が、インスタグラムのDMで知った自称『FXインフルエンサー』に160万円を預けて運用代行を依頼。2023年米利上げ局面のドル円乱高下で全損し、相手アカウントは消えた。
Yさん(仮名・25歳女性・仙台市内のアパレル会社事務職)から届いた話。インスタグラムのDMで知った『FXインフルエンサー』に運用を任せて、2か月で160万円を失った経緯。
取材は2024年中盤に開始。Yさんは『同年代女性向けの警告』として取材を受けてくれた。
インスタの『綺麗で稼ぐ女性』
Yさんは仕事帰りや休日に、インスタグラムを長時間見る習慣があった。フォローしていたアカウントの中に、20代後半の女性で『FXで月100万円稼ぐ女子』を自称する人物がいた。フォロワー数は8万人。投稿は海外旅行・カフェ・FX口座のスクリーンショットの混合。
2023年4月、そのアカウントから「いつもいいね、ありがとう。私のFXコミュニティに招待します」とDMが届いた。Yさんは喜んで返信した。
『運用代行』の提案
DMでのやり取りが続く中、相手から「あなたが口座を作って、私がIDとパスワードを預かって運用します。利益は7:3で、あなた7・私3」という提案。
「DMの相手が女性で、インスタの投稿も実生活感があって、『同性で安心』と感じてしまった。男性からのDMなら警戒したと思う」
口座開設と入金
2023年5月、Yさんは某国内FX業者の口座を開設。手元の貯金100万円と、消費者金融1社からの借入60万円、計160万円を入金。IDとパスワードをDMで送った。
2か月の運用と全損
5月〜6月、口座では実際に取引が行われていた。米ドル/円の高レバレッジロング。日々の含み損益は5万〜15万円の範囲で動いていた。
5月末時点で、口座残高は170万円(評価額)。相手から「順調です、もう少し増やしてください」とDM。Yさんは追加入金しなかった(手元の現金がなかった)。
6月後半、ドル円が145円台で乱高下。7月初旬、強制ロスカット執行。残高約3万円。実質損失約157万円。
Yさんは即座に相手にDMを送った。返信なし。1週間後、相手アカウントは削除されていた。
消費者金融の返済
消費者金融からの借入60万円・年利18%。月々の返済額約2万円。Yさんの月手取り19万円から、家賃6万円・生活費・返済を引くと、ほぼ赤字寸前の生活になった。
母親への告白
2023年8月、Yさんは実家の母親に事情を話した。母親が借入60万円を肩代わりして消費者金融を一括返済。Yさんは月3万円ずつ実家に返済中。
その後
FX口座は2023年8月に解約。インスタはFX関連アカウントを全部アンフォロー。同様の手口の被害者が複数、SNS上で声を上げているが、相手の特定は難航している。
振り返り:3つの教訓
1. 自分の口座のIDとパスワードは、絶対に他人に渡さない
性別・年齢・印象に関係なく、運用代行は無登録金融商品取引業に該当する違法行為。
2. 『同性だから安心』というバイアスは、判断を緩める
SNSの投稿内容で『安心感』を抱かせる手法は、性別を問わず詐欺の典型パターン。
3. 消費者金融からの借入を投資資金にしない
年利18%の借入を投資で取り戻すには、それを上回る運用利回りが継続必要。市場リスクで簡単に破綻する。
Yさんの体験から、整理できること
編集者注:以下はYさん個人の体験から整理した視点で、当サイトからの投資助言・売買推奨ではない。投資判断は読者本人の責任で。
心理と反省ポイント
- ロスカットは保険であって敵じゃない。動かす方向を間違えると一晩で口座が空になる。
- 指標発表の前後は流動性が抜けて、設定したロスカット幅を素通りすることがある。
- 深夜の30分だけのトレードは、判断疲れが乗ったまま画面に向かう時間でもある。
もう一度選び直すなら
失敗した道具・口座・サービスを今からどう選び直すか。
比較記事で軸を整理してから動くと、同じ罠を踏みにくい。
専門家に相談する
ひとりで抱えると判断が鈍る。
被害の状況や生活設計の悩みは、その道のプロに早めに話す方が結果的に軽くなる。