株式

新NISA成長投資枠でレバナス集中買い、米国金利上昇で評価額が半額になった42歳会社員の話

東京都の42歳男性会社員Mさんが、2024年の新NISA開始時に成長投資枠で米国レバレッジ型ETFに集中投資した経緯。年率2倍のレバレッジ商品の理解不足から、米国金利上昇局面で評価額が半額になった。レバレッジ型商品特有の『下落時の二重損失』の構造記録。

属性42歳男性・東京都 損失額¥4,400,000-
約 6 分で読めます(2,509字)
目次
  1. 新NISA開始とSNS情報
  2. 2024年の運用
  3. 2025年前半、変調の兆候
  4. レバレッジ型の『逓減損失』に気付いた
  5. 追加投入の停止
  6. 2025年の評価額
  7. 新NISA枠の使い方の見直し
  8. Xでの『レバナス一択』情報の振り返り
  9. 取材時点の判断
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Mさん(仮名・42歳男性・東京都在住・IT企業エンジニア)から届いた話。2024年の新NISA開始時に成長投資枠で米国レバレッジ型ETFに集中投資した経緯。年率2倍のレバレッジ商品の理解不足から、米国金利上昇局面で評価額が半額になった。レバレッジ型商品特有の『下落時の二重損失』の構造記録。

新NISA開始とSNS情報

2024年1月、新NISA制度がスタート。Mさんは旧つみたてNISAで全世界株インデックスを3年運用していた経験があった。
『新NISAの成長投資枠(年240万円・生涯1,200万円)をどう使うか、年末年始にSNSで情報収集していました。Xでは『成長投資枠はレバナス(米国ナスダック100の2倍レバレッジ型ETF)一択』『過去10年のリターンは年率40%超』という発信が複数のインフルエンサーから出ていました』
Mさんは『つみたて枠は全世界株インデックスで安全運用、成長投資枠は攻めのレバナス』という戦略を採用した。

2024年の運用

2024年1月、成長投資枠の年間枠240万円を一括投入。さらに毎月の追加で約30万円ずつ買い増し。
2024年の運用記録:

  • 1月:240万円(成長枠フル投入)
  • 3月:360万円(追加投入)
  • 6月:480万円(追加投入)
  • 9月:600万円(追加投入)
  • 12月:800万円(追加投入完了)

『2024年中の米国ナスダックは上昇基調で、レバナスの2倍効果が効きました。8月の含み益は約110万円。Xでも『レバナス民が増えています』という発信が増えていました』

2025年前半、変調の兆候

2025年1月、米国の金融政策見通しが変わった。インフレ再燃の懸念で、金利引き下げの期待が後退。
『2025年1月の米国ナスダックは前月比-8%。レバナスは2倍の-16%の下落でした。私の口座は800万円→672万円に減少しました』
2025年4月、米国ナスダックは年初から-12%。レバナスは-26%の下落。Mさんの口座は592万円に。
『下げ続けるなかで、私は『短期的な下落、長期で見れば回復する』と信じて買い増しを続けました。毎月の追加で口座残高は補填しましたが、追加投入額より下落幅の方が大きく、評価額は緩やかに減少していきました』

レバレッジ型の『逓減損失』に気付いた

2025年6月、Mさんは妻にレバナスの運用状況を共有した。妻は理系の研究職で、数値感覚に強い人だった。
『妻から『レバレッジ型ETFは、原資産が同じ値段に戻っても、レバレッジ型の評価額は元に戻らない設計』と指摘されました。妻が数値例で説明してくれました。原資産が100→80→100と動いた場合、レバナスは100→60→90にしかならない。下落と上昇の対称性が崩れる構造です』
Mさんはこの『逓減損失』の概念を初めて理解した。
『SNSで『過去10年の年率40%』という数字を見ていましたが、その期間は上昇局面が圧倒的に多かった。横ばい・下落局面が長く続くと、レバレッジ型は元の指数の動きに追随できない構造的な性質を持つ、と妻が説明してくれました』

追加投入の停止

2025年7月、Mさんは追加投入を停止した。残りの保有は塩漬けでホールドする方針に切り替えた。
『2025年7月の評価額:560万円。投入額累計:800万円。含み損:240万円』
2025年下半期から2026年前半、米国ナスダックは横ばい〜緩やかな上昇。
『ナスダックが回復しても、レバナスは追随しきれませんでした。逓減損失が効いて、ナスダックが前年比+5%でも、レバナスは前年比-3%という時期がありました』

2025年の評価額

2025年10月、Mさんの口座評価額は約400万円。投入額累計800万円との差は400万円のマイナス。
『2年弱で投資元本の半分が失われた状態です。レバナス自体は機能していますが、私の保有期間中の市場の動きと、レバレッジ型の構造が、噛み合わなかった結果です』

新NISA枠の使い方の見直し

2025年10月、Mさんは新NISA成長投資枠の使い方を見直した。
『今後の新規投入は、成長投資枠でも全世界株インデックスに変更します。レバナスは保有継続(売却すると損失確定する+NISAの非課税メリットを使い切れない)ですが、追加投入はしません』
妻との運用方針の文書化:

  • 新NISAつみたて枠:全世界株インデックス・月10万円
  • 新NISA成長投資枠:全世界株インデックス+米国インデックス・年100万円
  • レバレッジ型商品:新規投入なし・保有分は塩漬け
  • 個別株:投資資産の10%以下に抑制
  • 運用判断は妻と毎月共有

Xでの『レバナス一択』情報の振り返り

『2024年1月時点のXでは、レバナスを推奨する発信が多数派でした。今振り返ると、その発信者の多くは、自身がレバナスを保有しているポジショントークだった可能性が高いです。さらに、レバレッジ型の逓減損失について明示的に解説していた発信はほぼなく、『年率40%』という過去リターンの数字だけが繰り返されていました』
Mさんは現在、SNSの投資情報を判断材料として使う際に、『発信者のポジション』『リターン数字の前提期間』『商品の構造的特性』の3点を必ず確認するようにしている、と。

レバレッジ型ETFは、原資産の倍率で動くが、下落と上昇の対称性が崩れる『逓減損失』の構造を持つ。横ばい・下落局面が長く続くと、原資産が同じ値段に戻っても、レバレッジ型の評価額は元に戻らない。SNSで『年率40%』が繰り返される時期は、上昇局面が長く続いた直後で、これから下落局面に転じやすいタイミングであることが多い。

取材時点の判断

2025年11月、Mさんは新NISA成長投資枠での新規投入は全世界株インデックスに切り替え、レバナス保有分は塩漬けでホールドを継続している。
『売却すれば400万円の損失確定。保有継続で5〜10年待てば、原資産の上昇局面が来る可能性はあるが、レバレッジ型の逓減損失が効くと、完全回復は構造的に難しい設計です。新規投入は全世界株インデックスに切り替えて、ポートフォリオ全体を立て直していきます』
家計の運用方針も、妻との月次共有に切り替えた。

LESSONS & CONSIDERATIONS

Mさんの体験から、整理できること

編集者注:以下はMさん個人の体験から整理した視点で、当サイトからの投資助言・売買推奨ではない。投資判断は読者本人の責任で。

A
REFLECTION

心理と反省ポイント

  • レバレッジ型ETFは『下落と上昇の対称性が崩れる』構造を持つ。原資産が同じ値段に戻っても、レバレッジ型の評価額は元に戻らない。
  • SNSで『年率40%』が繰り返される時期は、上昇局面が長く続いた直後。これから下落局面に転じるタイミングであることが多い。
  • 新NISA成長投資枠は『非課税の恩恵が大きい』が故に、レバレッジ型の集中投入で含み損が発生すると、非課税メリットを使い切れない構造的なペナルティが発生する。
B
PRACTICAL CHOICE

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C
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