投信・NISA / 解説

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新NISAで含み損になった人の失敗パターン ─ 取材で見えた7つの共通点

2024年に始まった新NISAで、すでに含み損を抱えた投稿者の話を取材すると、共通するパターンが見えてきた。
ここでは、繰り返し出てきた7つのパターンを整理する。

更新2026-05-27 編集しら

1. 「S&P500なら絶対安心」と全額投入

取材した話の中で、最も多いパターン。
新NISA成長投資枠の240万円を、1日で全額S&P500連動投信に投じる。

「過去30年で年平均8%」というデータを根拠に、リスク許容度の検討を飛ばして全額入れる。直後の数か月で米国株が10%下落、口座は含み損24万円。
毎日NISA画面を見て、評価額の赤字が増えていくのを眺める日々が始まる。

S&P500の長期リターンは事実だが、その途中には2008年のリーマンショック、2020年のコロナショック、2022年の利上げ局面など、含み損を抱えた人の心が折れる場面が複数ある。
全額一括投入する人は、その途中の「我慢期間」を想定していないケースが多い。

2. 米国株信仰で為替リスクを無視

投資先のリスクは意識するが、為替変動の影響を軽視する。

2024年は1ドル150円台でドル建て資産を買った。2025年に円高に振れて1ドル140円になると、株価が同じでも円換算で約7%の損失。
S&P500が10%上がっても、為替で7%下がれば、円ベースでは3%の利益。為替が10%下がれば、円ベースでマイナス。

取材した中で「為替を考えずに買って、為替で損した」という人は多い。NISAは円建てで損益計算するため、為替損は実損として家計に響く。

3. FIRE便乗で高配当株偏重

FIRE(Financial Independence, Retire Early)ブームに乗って、新NISAで高配当株中心のポートフォリオを組む。

「配当4%なら年96万円、月8万円の不労所得」という皮算用で、成長投資枠を高配当株ETFに集中投入。
ところが、高配当株は株価成長が鈍く、配当も減配リスクがある。減配が発表された瞬間に株価が10〜20%下落、配当も減る、というダブルパンチを経験する人がいた。

NISAは非課税というメリットがあるが、それは利益が出た時の話。含み損の状態では、課税メリットを享受できない。FIRE目標の人は、配当だけでなく成長性も含めた設計が必要だった、と振り返るケースが多い。

4. 新NISA口座で短期売買

新NISAは「長期保有が前提」の制度設計だが、短期売買で使う人がいる。

個別株を成長投資枠で買い、数週間後に売却。利益が出ればそれで良いが、損切りすると、損失分の非課税枠を翌年まで使えない。
非課税枠は「買った時の金額」で消費されるため、損切りしても枠は戻らない。

取材した中で「特定口座と同じ感覚で短期売買して、非課税枠を無駄にした」という人が複数いた。新NISAの設計上、頻繁な売買は損になる構造になっている。

5. 高配当株を「インカム狙い」で大量保有

「配当金を生活費に」という発想で、特定の高配当株を大量保有する。

集中投資のリスク管理ができていないと、その企業の業績悪化で株価が3割下がる、ということが起きる。1銘柄に成長投資枠の大半を投じた人が、業績悪化の決算発表で1日で含み損60万円、というケースを取材した。

高配当株は「収益が安定した企業」が選ばれることが多いが、安定とは「成長が止まった」とも言える。安定企業ほど、外部環境の変化に弱い場合がある。

6. ロボアド任せで放置・含み損

新NISA対応のロボアドに毎月積立設定して、後はアプリを開かない。

市場が右肩上がりの時はそれで良いが、下落局面では、ロボアドのアルゴリズムが機械的に資産配分を維持する。下がった資産を売って、上がった資産を買う、いわゆる「リバランス」が発動する。
ところが、利用者本人がその挙動を理解していないと、「下がってるのに何で売ってるの?」「なんで違う商品が増えてるの?」と不安になる。

取材した中で「半年放置して開いたら、想定と違う商品構成で、含み損30万円だった」という人がいた。ロボアドは便利だが、ブラックボックスとして使うのは危険、と振り返っていた。

7. SNSインフルエンサーの推奨銘柄追従

X(Twitter)・YouTube・Instagramで「新NISAおすすめ銘柄」を発信するインフルエンサーをフォロー、推奨銘柄をそのまま買う。

インフルエンサーが「今が買い」と発信した時点で、既に株価が上がりきっている、というパターン。発信後に追従買いが入って高値掴み、その後の調整局面で含み損を抱える。

インフルエンサー自身は、推奨前に仕込んでいて、フォロワーが買った時点で利確している、というケースもあった。取材した中で「推奨銘柄を買って3か月で含み損20万円」という人は、インフルエンサーが既にその銘柄から離れていたことを後で知った、と話していた。

共通の回避ポイント

7つのパターンに共通する回避策は、いくつかに整理できる。

  1. 一括投入は避けて、時間分散で買う。成長投資枠240万円なら、12か月で毎月20万円ずつ。
  2. 為替リスクを認識する。ドル建て商品は、為替変動分の損益も計算に入れる。
  3. 高配当株は「ポートフォリオの一部」。FIRE目標でも、成長性とのバランスを取る。
  4. 新NISAは長期保有前提で使う。短期売買は非課税メリットを失う設計。
  5. 個別株は1銘柄に集中させない。最大でもポートフォリオの一部に留める。
  6. ロボアドは月1回は中身を確認する。完全放置はブラックボックス化する。
  7. SNSインフルエンサーの推奨は鵜呑みにしない。発信タイミングと自分の購入タイミングのズレに注意。

新NISAは制度自体は優れているが、使い方で失敗する人が多い。
非課税メリットを享受するには、まず含み損を抱えない設計が必要、というのが取材した投稿者たちの共通の振り返りだった。

このパターンが実際に効いた失敗体験

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