ファンド・投信

テーマ型投信『AI関連厳選』に集中投資した40代が、ブーム終了後に評価額が半額になった話

東京都の45歳男性Kさんが、2024年夏のAIブーム期に証券会社の特集ページで購入した『AI関連厳選』テーマ型投資信託。半年で評価額が35%上昇し、追加投資で総額800万円に増やした後、ブーム終了で評価額が約400万円台まで落ち込んだ経緯。テーマ型投信特有の購入タイミング問題とテーマ寿命の記録。

属性45歳男性・東京都 損失額¥3,850,000-
約 4 分で読めます(1,997字)
目次
  1. 投資歴6年のサラリーマンが、テーマ型に手を出した経緯
  2. 証券会社アプリの『今、注目のテーマ』特集
  3. 初回投資から6か月で評価額が400万円台に
  4. 2025年前半、評価額が緩やかに下降
  5. 2025年後半、ブーム終了の兆候
  6. 取材時点の判断
  7. テーマ型投信の構造的問題
  8. 再配分の判断
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Kさん(仮名・45歳男性・東京都在住・IT企業中間管理職)から届いた話。2024年夏のAIブーム期に証券会社アプリの特集ページで購入した『AI関連厳選』テーマ型投資信託で、800万円を投入したあとブーム終了で評価額が約半額になった経緯。テーマ型投信特有の購入タイミング問題と、テーマの寿命がどう効くかの記録。

投資歴6年のサラリーマンが、テーマ型に手を出した経緯

Kさんは2018年からインデックス投信を中心に積立投資をしていた。NISAのつみたて枠で月3.3万円、特定口座で月5万円。全世界株インデックスとS&P500の組み合わせで、2024年時点で評価額は約700万円だった。
「インデックスは安心なんですけど、コロナ後の数年で米国株が大きく上昇したのを見て、もう少し攻めの運用もしたい、と感じていました。仕事でAIプロジェクトに関わっていたので、AI関連には自然と興味がありました」

証券会社アプリの『今、注目のテーマ』特集

2024年6月、Kさんが日常使いしている証券会社のアプリ上で、トップに表示されたのが『AI関連厳選ファンド』の特集だった。
掲載されていた数字は以下の通り。

  • 過去6か月のリターン:+42%
  • 過去1年のリターン:+78%
  • 組入銘柄:エヌビディア、マイクロソフト、メタなど主要AI関連10銘柄に集中
  • 信託報酬:年1.65%
  • 購入時手数料:ノーロード(ネット購入のため無料)

「過去1年で78%という数字は、僕の積立てた全世界株の同期間の数字(約20%)の4倍近かったです。『これに乗らない手はない』と思いました」
Kさんは2024年6月中旬、300万円を一括投入した。

初回投資から6か月で評価額が400万円台に

2024年6月〜12月、AI関連株は引き続き上昇基調にあった。
Kさんの評価額の推移は以下。

  • 2024年6月:300万円(購入時)
  • 2024年9月:357万円(+19%)
  • 2024年12月:405万円(+35%)

「半年で105万円増えました。インデックスで4年かけて到達した金額を、テーマ型で半年で稼いだ計算です。これは追加投資すべきだ、と判断しました」
2024年12月末、Kさんは500万円を追加投入。総投資額800万円、評価額は約905万円になった。

2025年前半、評価額が緩やかに下降

2025年1月、AI関連株は調整局面に入った。Kさんのファンドの評価額も少しずつ下がり始めた。

  • 2025年1月:905万円
  • 2025年4月:832万円
  • 2025年7月:744万円

「『調整局面はいつか来る、押し目買いのチャンス』と思って、3月にもう200万円追加しようかと思ったんですけど、妻に止められました。『もう十分入れたよね』と。今思うと止めてくれて助かりました」

2025年後半、ブーム終了の兆候

2025年9月以降、AI関連株は本格的な下落局面に入った。理由は複数あった。生成AI関連企業の業績見通しが市場予想を下回ったこと、競争激化で利益率が圧迫されたこと、金融政策の引き締めが続いたこと。
Kさんのファンドは、組入銘柄がAI関連10銘柄に集中していたため、下落が直撃した。

  • 2025年9月:688万円
  • 2025年12月:542万円
  • 2026年4月:410万円

2年弱で、投資額800万円が評価額410万円に。約390万円のマイナス。

取材時点の判断

2026年4月、Kさんはこのファンドを継続保有している。
「ここから売ると損失確定なので、もう少し戻るまで持ちます。ただ、追加投資はもうしません。AI関連は中期的には伸びるかもしれないですけど、テーマ型投信は『ブームのピーク』で売られるので、僕のようにブーム期に買うと最高値掴みになりやすい構造です」
長期保有を続けるか、損切りするかは、半年〜1年で判断する、とのこと。

テーマ型投信の構造的問題

Kさんが取材で何度も繰り返した言葉がある。
「テーマ型投信は『売れる時期に売り出される商品』なんです。証券会社がアプリのトップに『AI関連』を出してきた時点で、すでにAIブームのピーク近くだった可能性が高い。販売側のタイミングと、買う側のタイミングが構造的にずれている、というのが、半年経ってから分かった話です」

特集ページで取り上げられているテーマは、すでにブームのピーク近く。それが見えるようになるまでに、800万円のうち390万円が必要だった。

再配分の判断

2026年5月、Kさんは新規投資の方針を見直した。AI関連ファンドはホールド継続、新規の追加投資は全世界株インデックスのみに戻すことに決めた。
「テーマ型は売却しても損失確定するだけなので、評価額が戻るまで5年でも10年でも待つしかない、というのが妻と話して決めた方針です。新規はインデックスに戻して、リスクを取りすぎないことにしました」
子どもの教育資金と住宅ローンの繰上げ返済を優先する家計設計に切り替えた、とも。

LESSONS & CONSIDERATIONS

Kさんの体験から、整理できること

編集者注:以下はKさん個人の体験から整理した視点で、当サイトからの投資助言・売買推奨ではない。投資判断は読者本人の責任で。

A
REFLECTION

心理と反省ポイント

  • テーマ型投信は『売れる時期に売り出される商品』。証券会社の特集ページに掲載されている時点で、ブームのピーク近くである可能性が高い。
  • 過去1年のリターン数字(+78%)は、これからの1年を保証しない。むしろ高いほど『次は調整』のサインに近い。
  • 組入銘柄が10銘柄前後に集中するテーマ型投信は、ブーム終了時の下落が直撃する。分散効果はインデックス投信の比ではない。
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