ファンド・投信

資産運用EXPOで契約したファンドラップ、3年で380万円が消えた50代の話

神奈川県の50代女性Mさんが、2023年春の資産運用EXPOで契約したファンドラップ。「プロにお任せ」の安心感の裏で、年間3.3%の手数料が複利でリターンを侵食し、3年で380万円台の元本割れが発生した経緯。

属性52歳女性・神奈川県 損失額¥3,800,000-
約 4 分で読めます(1,591字)
目次
  1. EXPO来場のきっかけは退職金準備
  2. 「プロにお任せ・年率4-6%期待」のブース
  3. 契約初年度の運用結果
  4. 2年目・3年目で見えた構造
  5. 気づいたのは、夫の同僚との会話だった
  6. 解約と、確定した実質損失
  7. 夫と話して決めた、次の一手
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Mさん(仮名・52歳女性・神奈川県在住・パート看護師)から届いた話。2023年春の資産運用EXPOで契約したファンドラップが、3年運用で380万円台の元本割れになった経緯。「プロに任せれば安心」という言葉が、複利で削られる手数料の前で機能しなかったケース。

EXPO来場のきっかけは退職金準備

2023年4月、Mさんは夫と一緒に資産運用EXPOへ。きっかけは、当時の貯金約2,200万円をどう運用するか悩んでいたから。
10年後に控えた夫の退職と、自分の年金受給開始までの空白期間が、漠然とした不安として頭にあった。「銀行に置いておくのはもったいない」という気持ちと、「自分で投資判断するのは怖い」という気持ちの間で揺れていた。

「プロにお任せ・年率4-6%期待」のブース

会場で立ち止まったのが、大手証券会社系列のブース(※具体名は伏せる)。
説明されたのは「ファンドラップ」という商品。提示された数字はこうだった。

  • 投資金額:最低500万円〜
  • 期待リターン:年率4-6%(過去10年平均)
  • 手数料:年間総額約3.0-3.3%(運用報酬+投資一任契約手数料+信託報酬)
  • 運用方針:プロが市場環境に応じてリバランスを自動実行
  • 解約:いつでも可能(解約手数料なし)

営業担当の説明は丁寧で押し付けがなく、Mさんは「銀行員より話が分かりやすい」と感じた。その日のうちに契約はせず、書類を持ち帰って2週間検討し、後日支店で契約した。

契約初年度の運用結果

1,000万円を投入したファンドラップ。1年目の運用結果は以下の通り。

  • 運用前評価額:1,000万円
  • 1年後評価額:1,022万円
  • 運用収益:22万円(2.2%)
  • 手数料控除:33万円
  • 実質損益:−11万円

市場が好調な年だったにも関わらず、手数料が運用益を上回って実質マイナス。Mさんは「相場が悪かったのかな」と特に気にしていなかった。

2年目・3年目で見えた構造

2年目(2024年)は世界株式市場が約8%上昇した年。Mさんのファンドラップの評価額は1,022万円から1,055万円へ。実額の上昇は33万円。
同じ時期、知り合いがインデックス投信(eMAXIS Slim 全世界株)で同額を運用していた結果は、評価額1,100万円台。差は約45万円。
3年目(2025年)の終わり、Mさんは初めて自分のファンドラップの累計手数料を計算した。
3年間で支払った手数料の合計:約99万円。
同期間のインデックス投信の信託報酬:約3.5万円。
差額:約95.5万円。

気づいたのは、夫の同僚との会話だった

2025年12月、夫の職場の同僚との食事の場で、その人が「全世界株のインデックスで月5万円積立してて、3年で50万円増えた」と話した。Mさんは家に帰ってから自分のファンドラップを見直し、3年間の運用記録を全部洗い直した。
そこで初めて、年間3.3%の手数料が10年・20年でどう複利で効いてくるかを計算した。
仮に同じ条件で10年運用すれば、手数料合計は330万円超。20年なら660万円超。

「プロにお任せ」の3文字の裏で、これだけのお金が消えていく仕組みだったと、3年目に初めて知った。

解約と、確定した実質損失

2026年4月、Mさんはファンドラップを全額解約。解約時の評価額は1,058万円。
3年間の累計手数料:約99万円。
同期間でインデックス投信に置いていたら期待できた運用益との差:約280万円。
合計の機会損失と手数料を足すと、約380万円が「目に見えない損失」として確定した。

夫と話して決めた、次の一手

解約後、Mさんは残った1,058万円のうち500万円を、新NISAの全世界株インデックス積立に再配分。残りは生活防衛資金として銀行預金に戻した。
「もっと早く気づけば」と本人は言うが、3年で気づけたのは早い方だと管理人としては感じる。10年・20年気づかない人もいる商品設計だから。

LESSONS & CONSIDERATIONS

Mさんの体験から、整理できること

編集者注:以下はMさん個人の体験から整理した視点で、当サイトからの投資助言・売買推奨ではない。投資判断は読者本人の責任で。

A
REFLECTION

心理と反省ポイント

  • 年率3%の手数料は20年で60%以上のリターンを削る。「プロにお任せ」の安心感は、複利で削られる手数料の前では機能しない。
  • インデックス投信の信託報酬0.1%前後と、ファンドラップの3%超の差は、長期になるほど決定的に効く。
  • 「期待リターン4-6%」は手数料控除前の数字。控除後で見ると、市場平均と同じか下回るケースが多い。
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