資産運用EXPOで紹介された「上場前トークン」、620万円が連絡途絶で消えた話
千葉県の30代会社員Tさんが、2024年夏の資産運用EXPOで紹介された「上場前トークン」に620万円を投じ、半年後にLINEグループが消滅して全損した経緯。
Tさん(仮名・34歳男性・千葉県在住・広告系営業職)から届いた話。2024年夏の資産運用EXPOで紹介された「上場前トークン」に620万円を入金し、半年後にLINEグループごと消えた経緯。婚約者には今も詳細を伝えられていないという。
EXPO起点の仮想通貨被害の典型例として、記録しておく価値がある内容だった。
EXPO来場のきっかけは「副業×仮想通貨」セミナー
2024年8月、Tさんは「副業で月10万円稼げる仮想通貨投資」と銘打たれた無料セミナーを目当てに東京ビッグサイトへ。仕事が忙しくなり、給料は頭打ち、結婚資金を貯めたいタイミングだった。
セミナー自体は1時間で、内容は当たり障りのない「仮想通貨の基礎」だった。問題はセミナー後の出口に並んでいたブース群だった。
「あなたにだけ教える上場前トークン」のブース
セミナー出口で「無料の個別相談」を案内され、ブースの個別ブースへ。そこで30代後半の男性スタッフから説明されたのが、「3ヶ月後にBinance系列の海外取引所に上場予定のトークン」だった。
提示された資料には以下が記載されていた。
- トークン名:仮称「ECO-X」(環境系プロジェクト)
- 現在価格:1トークン=10円
- 上場後の予想価格:100-200円(10-20倍)
- 必要最低投資額:100万円
- 「あなたにだけ教える」「上場まで3ヶ月」「LINEグループで限定公開」
後から振り返ると、投資詐欺の典型句として古くから繰り返し警告されてきた「お前にだけ・上場前・LINEグループ」の3点セットが、全部揃っていた典型例だった。
LINEグループに招待されて、最初の入金
EXPO翌週、Tさんは紹介されたLINEグループに招待された。グループメンバーは50名ほど。毎日「今日の進捗」「他の参加者の入金報告」が流れる。中には「200万円入金しました!」「上場楽しみです!」というスクリーンショットも投稿されていた。
Tさんは最初に150万円を送金。送金先は個人名義の銀行口座だった。「会社口座だと税務処理が複雑になる」という説明を信じた。
追加入金の連鎖と、上場延期通知
2024年10月、グループ管理者から「上場日が確定。最終入金枠あと3名」というメッセージ。Tさんは追加で200万円を入金。
11月、「他のホルダーが100万円追加したので、上場後の価格上昇余地がさらに広がった」という連絡。さらに150万円を入金。
12月、「規制対応で上場日が3ヶ月延期」という通知。追加保証として、新規購入分に「上場時2倍ボーナス」が付くという案内も来た。Tさんは結婚資金の貯金から最後の120万円を入金。
合計620万円。
2025年2月、LINEグループが消える
2025年2月のある朝、Tさんが起きてLINEを開くと、「ECO-X 上場準備グループ」が「メンバーが見つかりません」になっていた。管理者の個別チャットも「アカウントが存在しません」表示。
送金先の銀行口座を調べると、すでに別人名義に変更されていた。
画面の表示が、自分のものに見えなくなった瞬間があった。
その後
Tさんは消費者センターと警察に相談。警察からは「振り込め詐欺の典型例」として被害届を受理されたが、加害者の特定は難しいと告げられた。
620万円の損失は、結婚資金そのものだった。婚約者には「投資で少し損した」とだけ伝えて、半年遅らせた結婚式に向けて、いまも貯金を再開している。
Tさんの体験から、整理できること
編集者注:以下はTさん個人の体験から整理した視点で、当サイトからの投資助言・売買推奨ではない。投資判断は読者本人の責任で。
心理と反省ポイント
- 「あなたにだけ教える」「上場前」「LINEグループで限定公開」の3点セットは、ほぼ100%詐欺の入口。
- 送金先が個人名義の銀行口座になっている時点で、正規プロジェクトではない可能性が極めて高い。
- 「上場延期+ボーナス追加」はカモリストの最終回収フェーズ。延期と聞いた時点で、それまでの入金分も諦める判断が早ければ被害は小さい。
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