長野の60代女性退職者、親族紹介のビットコインで920万円失った話
長野県松本市の元小学校教員Tさん(仮名・67歳女性)が、甥の紹介で退職金1,000万円をビットコインに投入。2018年の暴落で920万円を失った。悪意のない「善意の紹介」がどう届いたかの記録。
「甥を恨んでないんです。あの子も同じだけ損をして、同じだけ後悔してる。だから余計に、誰のせいにもできなくて」
Tさん(仮名・67歳女性)は長野県松本市在住。小学校の教員を37年勤め、2015年に退職した。夫には先立たれ、独立した子が2人いる。2018年、退職金から投じた1,000万円のビットコインが、80万円になった。
東京の甥からの電話
2017年11月、東京でIT関係の仕事をしている甥(30代)から連絡が来た。ビットコインは年内に200万円を超える、いま買わないと乗り遅れる、という内容だった。甥自身も保有していて、画面の見方から口座の開設まで、全部手伝ってくれた。
「お金の話に縁のない人生でした。教員の給料と年金で十分でしたから。ただ、あの子は昔から優秀で、ITの世界で働いてる。その甥が『確実』と言うなら、私が知らないだけで世の中はそうなってるんだろうと」
退職金の1,000万円
2017年12月、Tさんは退職金から1,000万円を投じてビットコインを買った。当時の価格は1BTC=200万円前後。連日、テレビでもビットコインの特集が流れていた時期だった。
「迷いはあったんです。でも『年内200万円超え』は、買ったときにはもう当たってました。予言が当たっていく途中に乗ったので、疑う理由の方が見つからなくて」
2018年、半年で決めた損切り
年が明けると、価格は落ち始めた。1月、2月、3月。戻りらしい戻りのないまま下がり続け、Tさんは2018年6月に全部を売った。回収できたのは約80万円。実質の損失は約920万円になった。
「半年で決めたのは、教員の習性かもしれません。だらだら引きずるより、区切りをつけて反省会をする方が性に合ってた。もっと早く区切るべきでしたけど」
ビットコインはその後、年末に34万円まで下がった。Tさんの判断は、結果としては傷を浅くしていた。
親族の集まりが、少し変わった
甥も同じ時期に大きく損をしていた。法事や正月で顔を合わせるたび、どちらからともなくその話題を避けるようになり、親戚づきあいは以前より少しだけ遠くなった。
「あの子が悪いんじゃない。私が決めて、私が買った。それは分かってるんです。ただ、お金の話って、家族の間でも消えないんですよ。何年経っても、そこにある」
920万円の行き先
| 投入総額 | 1,000万円(退職金から・2017年12月・1BTC=約200万円) |
|---|---|
| 売却・回収額 | 約80万円(2018年6月に損切り) |
| 実質損失 | 約920万円 |
| その後の相場 | 2018年末に1BTC=34万円(損切りが結果的に傷を浅くした) |
いま
残った退職金と年金で、生活を組み直した。投資はあれきりやっていない。
「教員時代、子どもたちに『分からないものに大事なものを賭けない』って言ってきたんです。67歳で、自分が一番できてなかった。いまは、分からないものは分からないままにしておく勇気の方が大事だと思ってます」
Tさんの体験から、整理できること
編集者注:以下はTさん個人の体験から整理した視点で、当サイトからの投資助言・売買推奨ではない。投資判断は読者本人の責任で。
心理と反省ポイント
- 上昇局面の「次の半値」は来る。逃げる速度は買う速度より遅い、と知っておく。
- 出金完了するまでは「利益」ではない。取引所のホット枯渇・規制で凍結することがある。
- 「お前にだけ教える」「上場前」「LINEグループで限定公開」は、ほぼ全部詐欺の入口。
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