投資詐欺

「不動産小口投資・年利8%確実」200万円投資、運営者破綻で全損した50代男性

宮崎県の50代男性会社員Xさん(仮名)が、不動産小口投資クラウドファンディングに200万円を投じ、運営者の破綻で全額損失した経緯。

属性55歳男性・宮崎県 損失額¥2,000,000-
約 7 分で読めます(3,277字)
目次
  1. 定年まで3年、退職金の運用先を考え始めた
  2. Web広告、『年利8%確実・元本保証型』
  3. 説明会、運営代表との個別面談
  4. 1年4か月の配当、月額1.3万円
  5. 2024年12月、運営代表が連絡途絶え
  6. 地元法人、刑事告訴は『困難』
  7. 退職金の運用計画、根本から見直し
  8. 地元コミュニティとの距離
  9. 取材の最後に、Xさんが伝えたかったこと
  10. 振り返り:3つの教訓
  11. 取材記録
  12. 管理人の感想
  13. 返金可能性
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Xさん(仮名・55歳男性・宮崎県・建設資材会社営業課長)から届いた話。

「年利8%確実・元本保証型」を謳う不動産小口投資に200万円。運営者が破綻、全損。Web広告経由、契約から1年8か月後の破綻だった。

「3年後の退職を見据えて、退職金の運用先を探していた時期でした」。取材冒頭、Xさんはそう前置きをした。

定年まで3年、退職金の運用先を考え始めた

Xさんは、宮崎県内の建設資材会社で営業課長を務めて15年。年収約680万円、3年後に58歳での早期退職を決めていた。

「会社は安定していますが、業界の将来性を考えると、早期退職金を運用して、第二の人生に備える。そう考え始めていた時期でした」

子は2人、すでに独立。妻は専業主婦、住宅ローンは完済済。退職金の見込みは、約2,800万円だった。

Web広告、『年利8%確実・元本保証型』

2023年の春。Xさんは、業務中にPCの広告欄で、ある投資案件を目にする。

「年利8%確実・不動産小口投資・元本保証型」。宮崎市内の中規模オフィスビルの共同投資、というキャッチだった。

「『元本保証型』という言葉に、まず反応しました。普通の不動産投資は元本保証なんてあり得ないのに、なぜか、これだけは違うように見えた」

説明会、運営代表との個別面談

Xさんは、宮崎市内のホテルでの説明会に参加。参加者は約20名、地元の中小企業経営者・退職予定の会社員層が中心だった。

運営側は、宮崎市内の地元法人。代表者は60代男性、地元の経済人としての顔も持っていた。

「『地元の信用ある人物』という安心感が、大きかった。広告だけだったら、私も警戒したと思います」

Xさんは、説明会後の個別面談で、200万円の小口投資を契約。退職金の見込みの一部、現在の預貯金から切り出した。

1年4か月の配当、月額1.3万円

契約から翌月、Xさんの口座に月額約1.3万円の配当。年利8%相当の動きだった。

「説明通りでした。地元の代表者なので、何かあったら直接連絡できる、という安心感もあった」

配当は1年4か月、滞りなく続いた。Xさんは追加投資を検討し始めていた頃、地元の経済ニュースで、運営法人の経営難の記事を目にする。

2024年12月、運営代表が連絡途絶え

2024年の12月。運営代表との連絡が、突然取れなくなった。電話は不通、事務所のドアにも鍵がかかっていた。

Xさんが警察に確認すると、運営代表は経営難で個人破産を申立、事務所の保証金も滞納していたと判明。共同投資の対象だったオフィスビルは、別の会社の所有で、運営代表との関係は『管理委託契約』だけだった、と。

「『元本保証』という言葉の意味は、最初から虚構だった、と気付いた瞬間でした」

地元法人、刑事告訴は『困難』

Xさんは、宮崎県警に被害届。地元の弁護士にも相談した。

弁護士からの回答は、こうだった。
「運営代表が個人破産している以上、民事の回収は破産配当のみ。刑事については、計画的な詐欺の立証が必要で、地元法人の倒産という形では、刑事告訴の難易度が高い」

「正直、唖然としました。あれだけ堂々と『元本保証』と言っていたのに、刑事責任を問うのが難しい、という法律の構造に、納得がいかなかった」

退職金の運用計画、根本から見直し

200万円の損失は、Xさんの退職金見込みの約7%に相当。生活への影響は限定的だが、運用計画への影響は大きかった。

「もう、地元の話だから安心、という判断はしません。退職金の運用は、金融庁登録の業者・上場企業のみ、と決めました」

3年後の早期退職計画は維持。ただし、退職金の運用先は、銀行系・大手証券会社経由の投資信託に変更した。

地元コミュニティとの距離

取材中、Xさんが繰り返し言ったのは、こんな言葉だった。

「地元の経済人、地元の信用、地元の紹介。これが、結果として、警戒心を緩めた最大の要因でした。地元コミュニティとの繋がりは大事ですが、お金の話は、地元かどうかとは別の判断基準で扱う必要があります」

取材の最後に、Xさんが伝えたかったこと

「これから退職金の運用を考える、私と同じ世代の方に伝えたい。『元本保証』『年利◯%確実』。この組み合わせの言葉が出てきたら、その時点で金融商品取引法違反の可能性があります。地元の信用ある人物が言っていても、関係ない。金融庁の登録金融機関等一覧で、運営者の登録を必ず確認してから判断してください」

振り返り:3つの教訓

1. 『元本保証』『年利◯%確実』の組み合わせは、その時点で金融商品取引法違反の可能性が高い。金融庁の『登録金融機関等一覧』で、運営者の登録を必ず確認する。

2. 地元の経済人・地元法人という属性は、判断の安心材料にならない。お金の話は、地縁・血縁とは別の判断基準で扱う。

3. 退職金の運用先は、金融庁登録の業者・上場企業に限定する。退職金は『失えない資金』。攻めの運用ではなく、守りの運用を基本にする。

LESSONS & CONSIDERATIONS

Xさんの体験から、整理できること

編集者注:以下はXさん個人の体験から整理した視点で、当サイトからの投資助言・売買推奨ではない。投資判断は読者本人の責任で。

A
REFLECTION

心理と反省ポイント

  • 「お前にだけ」「内部情報」「上場前」「税金が必要」は、典型的な詐欺フレーズ。
  • 送金先が個人口座 or 海外口座なら、ほぼ確実に詐欺。即時被害届の準備に動く。
  • 出金時に追加費用や保証金を要求されたら、その時点で「払うほど深みにハマる」フェーズ。
B
PRACTICAL CHOICE

もう一度選び直すなら

失敗した道具・口座・サービスを今からどう選び直すか。
比較記事で軸を整理してから動くと、同じ罠を踏みにくい。

C
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